私たちが日常なにげなく使っている電気。この電気は、発電所でつくられ、私たちの家庭に送られてきます。火力発電所では、ボイラーで重油を燃やし、水を蒸気にします。この蒸気が発電タービンを回して電気をおこすのです。そう、ちょうど蒸気機関車みたいに。
ところで、まず重油を燃やすとその中の成分によっていろんなガスがでてきます。たとえば、重油の中の硫黄(S)分は、燃やされることによって酸化し、酸素(O)と結びついて亜硫酸ガス(SO2)というガスになります。いわば、これは電気の落としもの。このSO2、じつは空気中に放出されると、大気汚染の原因になるだけでなく、化学変化を起こしてH2SO4という硫酸になるのです。この硫酸が雨の中に混じると、あの酸性雨という恐ろしい雨になってしまいます。
だから火力発電所では、この酸性雨を防ぐために2つの仕事をやっています。ひとつは、まず電気のもとの重油をできるだけうまく燃やしてSO2の発生を少なくすること。それでも出てきたSO2は、脱硫装置という大きな装置でSO2を取り除きます。そして二つめは、電気の落としものである排ガスに、SO2ガスが含まれていないかチェックすること。
火力発電所でのこの2つの大きな仕事に、煙道排ガス分析装置が貢献しているのです。この分析装置には赤外線分析計というガス分析計が使われています。この分析計は、いろんな分子の赤外線に対する独特な性質を利用して、ガスの中に含まれる成分を測るセンサーといえます。ここでは、重油を燃やしたガスや排ガスの中にあるSO2という分子の量を測っています。こうして、煙道排ガス分析装置は私たちの暮らしになくてはならない電気をできるだけ効率よく生み出し、地球環境を守るために活躍しているのです。


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