蛋白質やゴム、合成繊維、プラスチック。私たちの日常生活にかかせないこれらは、高分子化合物と呼ばれています。高分子というのは分子量の大きい分子のこと。つまり分子がいっぱいくっついて、そのくっつき方によっていろんな性質のいろんな物質ができあがるのです。この高分子のくっつき具合、難しく言えば分子構造、を調べるのがフーリエ変換赤外分光光度計と言われる装置です。
調べようとする高分子化合物に赤外線を当てると、構成されている分子によって特別な波長の電磁波(光)が出てきます。これをフーリエ変換というコンピュータ処理を行うことによって、その分子特有のスペクトル(波長と強度のグラフの形)を見ることができます。このスペクトルは分子構造によってそれぞれ違っています。そしてこのスペクトルはあらかじめわかっており、何十万種類という高分子化合物のスペクトルライブラリーから同じ形をしたスペクトルを探し出せば、その物質が何であるかがわかるのです。

いわば、スペクトルは人間の指紋。ライブラリーは警視庁にある指紋のデータベースみたいなもの。こんな方法でいろんな物質を調べてみると意外な事実が分かります。一時期ブームになった「ナタデココ」と「ティッシュペーパー」が同じなかまなんだとか。それもそのはず、両方ともセルロースという植物繊維でできているんですものね。


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