ガラス電極によるpH測定

ガラス電極と比較電極の組合せは、内部抵抗の高い電池と考えることができますので、これをそのまま、ふつうの電位差計(電圧計)につないでも、その電位差を正確に測定することはできません。必ず高入力インピーダンスの増幅器が必要です。このような増幅器に、いろいろの調整用抵抗などを加えたものがpH計の指示部です。
pH計の指示部に欠くことのできないものとして、非対称電位調整用ダイアル、温度補償用ダイアル、感度調整用ダイアルがあります。
非対称電位調整用ダイアルは、電極を標準液に浸したときに、pH計の指針のよみを、標準液のpH値に一致させるよう調整するためのもので、増幅器の零点を電気的に移動させる働きをします。
温度補償ダイアルは、ガラス電極の1pH当りの起電力が温度によって変化することを補正し、どの温度でも正しいpH値が指示計にしめされるように調整するものです。ただし温度補償電極を用いる方式のpH計(自動温度補償)では、この調整が自動的におこなわれますので、温度補償ダイアルはついていないのが普通です。そのかわりに、感度調整用ダイアルが設けてあります。
感度調整ダイアルは、ある温度でのガラス電極の1pHあたりの起電力に増幅器の感度を正しく一致させるよう調整するものであって、電気的なはたらきは、温度補償ダイアルと変りませんが、調整できる幅がごく小さい範囲に限られています。


pH測定を行なう場合には、必ず、標準液によるpH計の校正を行なわなければなりません。標準液としては、緩衝液が用いられます。標準液のpHが変わり易いようでは困りますので、pHの変わりにくい緩衝液を用いるのです。
次にJISに定められた5種の標準液と、各温度におけるそれら標準液のpH値とを紹介します。
これらの標準液を自分の手でつくることはそう困難ではありませんが、そのための設備のない場合にはかなり面倒ですから、市販の品を購入する方が経済的です。
標準液の各温度におけるpH
(JIS Z 8802 1976確認)
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温度 (℃)
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標 準 液
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シュウ酸塩
|
フタル酸塩
|
中性リン酸塩
|
ホウ酸塩
|
炭酸塩
|
|
0
|
1.67
|
4.01
|
6.98
|
9.46
|
10.32
|
|
5
|
1.67
|
4.01
|
6.95
|
9.39
|
(10.25)
|
|
10
|
1.67
|
4.00
|
6.92
|
9.33
|
10.18
|
|
15
|
1.67
|
4.00
|
6.90
|
9.27
|
(10.12)
|
|
20
|
1.68
|
4.00
|
6.88
|
9.22
|
(10.07)
|
|
25
|
1.68
|
4.01
|
6.86
|
9.18
|
10.02
|
|
30
|
1.69
|
4.01
|
6.85
|
9.14
|
(9.97)
|
|
35
|
1.69
|
4.02
|
6.84
|
9.10
|
(9.93)
|
|
38
|
---
|
---
|
---
|
---
|
9.91
|
|
40
|
1.70
|
4.03
|
6.84
|
9.07
|
---
|
|
45
|
1.70
|
4.04
|
6.83
|
9.04
|
---
|
|
50
|
1.71
|
4.06
|
6.83
|
9.01
|
---
|
|
55
|
1.72
|
4.08
|
6.84
|
8.99
|
---
|
|
60
|
1.73
|
4.10
|
6.84
|
8.96
|
---
|
|
70
|
1.74
|
4.12
|
6.85
|
8.93
|
---
|
|
80
|
1.77
|
4.16
|
6.86
|
8.89
|
---
|
|
90
|
1.80
|
4.20
|
6.88
|
8.85
|
---
|
|
95
|
1.81
|
4.23
|
6.89
|
8.83
|
---
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標準液の名称と組成
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名 称
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組 成
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シュウ酸塩標準液
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0.05mol/L 四シュウ酸カリウム
KH3 (C2O4) 2・2H2O水溶液
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フタル酸塩標準液
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0.05mol/L フタル酸水素カリウム
C6H4 (COOK) (COOH) 水溶液
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中性リン酸塩標準液
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0.025mol/L リン酸一カリウムKH2PO4-
0.025mol/L リン酸二ナトリウムNa2HPO4水溶液
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ホウ酸塩標準液
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0.01mol/L ホウ酸ナトリウム (ホウ砂)
Na2B4O7・10H2O水溶液
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炭酸塩標準液
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0.025mol/L 炭酸水素ナトリウムNaHCO3-
0.025mol/L 炭酸ナトリウムNa2CO3水溶液
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